なんとか建物の前までたどり着いた。
牧場の入り口から見た時は分からなかったけど、奥に広がりがあって、ずいぶん大きい牛舎だ。屋根にはまた何匹かの猫がチョロチョロ走り回っている。肩に乗っていた猫も飛び降りて、仲間の猫たちの群れに混じってしまう。
鼻沢さんが肩を見ると、猫の爪が食い込んで少し血が滲んでいる。
入り口が閉ざされているが、牛が顔を出せるような窓がたくさん開いている。そこから仲を覗き込むと…
牛、牛、牛の群れ。
白に黒のブチ、茶色、赤銅色、真っ黒、灰色、…
いろんな色の牛が何十頭と言わず、軽く数百頭はいるだろうか。
鼻沢さんは酪農のことは門外漢だが、これは相当大きい牧場だということは分かる。
「すみませーん」
と呼んでみても、やはり反応は無い。
仕方なく、もう一方の小学校の校舎のような建物に向かう。
建物の近くに来てみて分かったが、この建物は古い木造なんかでは無い。書割りをくっつけたみたいに、外装でのどかな木造に見せかけているだけだ。ドアがあったので、ノブに手をかけて回してみる。鍵はかかっておらず、ノブは回りドアが音もなくスッと開いた。
今日もいい天気、52、追跡続き
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執筆者:hisatez
