「宗教を信じて、かえって人間が不幸になるっていうのは、
やっぱり宗教は人間が作った不完全なものなんだなって思った」
(by イケメンO氏)

「白い人・黄色い人」遠藤周作(新潮文庫)


「白い人」「黄色い人」は、西洋と東洋で、ある個人に降りかかった信心することのジレンマを描いている。

「白い人」
見た目が醜くてそれが故に両親から愛されず心に闇を抱えた少年が、
キリスト教への帰依で悩んでいる友人を意図的に惑わせ、ついには死に至らしめる。
衝撃的な展開だが、これはストーリー上暗示されていた結末でもある。
彼は、近所の女が飼い犬を虐待するのを見て、その嗜虐性を開花させたと言う。
その後、貧しい外国の少年の尻を打ち、自分と同じく醜い少女を惑わせ、彼女の下着を破り裂き、
神学に身を投じようとする少年を意地悪な質問で打ち負かす。
徐々にエスカレートした結果が、友人を死なせてしまうことであるのは、
ある意味では十分起こり得ることであった。

「黄色い人」
キリスト教は、洗礼を受けて神の復活を信じれば誰でも入信できるらしい。
門戸を広げることで信者の数を世界的に増加させた、と世界史で習った。
デュラン元神父は、自らが一人の女と深い仲になって、
教会から追放されてみて初めて日本人がキリスト教をどの様に受け入たのかを思い知る。
一度過ちを犯すと「赦し」はない。

「なぜ神さまのことや教会のことが忘れられへんの。忘れればええやないの。」とキミコに指摘され、
デュランは茫然としてしまう。キリスト教の真意がまったく伝わっていないということがはっきりしたからだ。
「裏切り者」デュラン神父が同胞の爆撃で死ぬ、というのも、キリスト教徒同士が殺しあったという皮肉な図式である。

「誰でも心の中に矛盾や疚しいものを抱えているけれど、戦争はそれを拡大してあからさまにしてしまう作用がある」
「黄色い人で、デュラン神父は女と性行為して過ちを犯し、
次に性行為の暗示として使われることの多いピストルで過ちを犯そうとしているというのは、ちょっとあざとい」

などの意見が出ました。


出席してくださった皆様、充実した議論が出来て大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
心より感謝します(*^_^*)



予告編のページ

トップページに戻る