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平成30年11月

「蝶々の纏足・風葬の教室」山田詠美(新潮文庫))





もう30年以上前の作品になります。成熟した今の山田詠美作品を知っている身としては、作品の完成度としてはイマイチ感はありました。
参加者の方々もそうだったようで、始まって早々、ちょっとイマイチ、よくわからないという声が…笑

文章表現が矛盾しているし、伝わらない、そもそも蝶々に纏足とか、心に纏足を飼ってるとか何?
文章表現に関しては司会もその通りだと思います。ちなみに最近の作品だとちゃんと改善していますので、若かったということなのでしょう。

スクールカースト的な話として読むのか、リアルを追求した話として読むのかわからなかったという声もありました。それに対して30年前はリアルだったよという声も。この辺は読む世代によっても感じ方が変わりそうですね。司会は詠美ファンですが、リアリティと問われると悩まざるを得ないです。
対象とする層を選んでいるよね、という話も上がりました。その通りだと思います。おそらくはこの作品に関しては、中高生の女の子がターゲットなのでしょう。事実司会も思春期の頃にめちゃくちゃ影響を受けましたし、風葬の教室に至っては、作中の主人公と同じくらいの年で読んで救われた記憶がありますから。

昔と今の恋愛の仕方、考え方の違いの話にもなりました。SNSの発展した今、この小説で描かれるような肉体感覚からの恋はあまりないのではないか、というのは面白い見方だと思いました。そういう意味では、懐かしい恋愛感覚を思い出す人もいるのではないでしょうか。
全体的にやや批判に寄った会にはなりましたが、司会は一生懸命、蝶々の纏足も風葬の教室も、中高生が読む価値は未だに高いという主張をし続けました!

この2つとも、特殊でない普通の女の子を扱った作品です。そもそも、それが書けるというのは1つの才能かと思います。
学校という世界の中で生きざるを得ないが、なんとなく馴染めない、スクールカーストに疲れる…誰もが経験がある感覚でしょう。そこから回避、離脱するということは、生きていくために重要です。山田詠美は、それを小説という媒体で伝え続けていたのではないでしょうか。

それは今も昔も変わらず、山田詠美が売れ続けている理由の1つなのかもしれません。
と、賛同を得られたかはわかりませんが、とりあえず司会は頑張って語りましたし、頑張ってレポートも書きました。

一発屋で終わることも珍しくない作家業界の中で、山田詠美は今でもずっと活躍し続けている作家です。ファンから見てもイマイチな作品もありますし、ちょっと理解しづらい面もあるのかもしれません。ですが、彼女が第一線に居続ける理由、い続けられる理由が何なのか、たまに語り合うのも面白いのではないでしょうか?


司会としては、また機会があれば取り上げたい作家の一人です。

参加者の皆様、色々な観点から楽しく議論ができました。ありがとうございました。

(written by K.Y.様)

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