「信頼できない執事はイケメンか?」
平成28年4月
「日の名残り」カズオ・イシグロ
「日の名残り」
ジェームズ・アイヴォリー監督の映画でも有名な当作品。
映画も名作ですが、本作品は純粋に言語芸術な作品で、文学技法を駆使していて玄人好みな感じもします。
読書会でも「なかなか楽しめなかった」というような声もありました。
それだけに謎を解くように深読みしていくと深みに嵌る奥深さもあり、
これはどのようなプロットだろうとか、(語り手の意識を考える上で)聞き手は誰か、など読書会らしい読書会として盛り上がりました。
1、信用できない?語り手
一人称の語り手によるバイアスをどう捉えるか。
2、語り手の世界の中心となるダーリントン卿は本当は俗物であったのではないか?
3、手や暗闇などの象徴を的確に使うイシグロの手腕
4、ミス・ケントンの人物造形
などなど様々な問題意識が提示され中には「映画で主演したアンソニー・ホプキンスのイメージが強いが
(あれほどミス・ケントンに思われているのは)スティーブンスは美男子だったのではないか」
など卓見が頻出しました。
新たな気づきに満ちたスリリングな読書会でした。
(by Mr.Ya)
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