第2回予告 「夜と霧の隅で」北杜夫(昭和35年上期・第43回)
平成26年5月18日(日曜日)午後3時 予定
「夜と霧の隅で」北杜夫(新潮文庫)
私は病院に勤務しているのだが、現場ではご多聞に漏れず業界用語が頻繁に行きかっている。
私自身も、「患者さんも気味悪がるし、なるべく使いたくないな」と初めは思っていたが、
最近は結構使うようになってしまった。
別に、患者さんに知られて困る話をしている訳ではないのだが、
スタッフの意思疎通を確実にしようとすると、どうしてもすでに流通している言葉を使ってしまうのだ。
しかし、中には患者さんには分からないだろうと高を括って無神経なことを話している医者もちょくちょくいる。
例えば、あなたが病院の待合室で診察の順番を待っているときに、担当医がへらへら笑いながらやってきて、
隣の看護師と「いやあ、さっき僕の患者がステっちゃてさあ」などと言っていたとする。
たいていの人にはステるとは何のことかわからないでしょう。
なんだか可愛い音のようにも聞こえるし、大したことないんだろうな、などと想像するに違いない。
重要なことを伝えないで表面を糊塗して間に合わせてしまう、
ということはしょっちゅうあることです。
でも、それが誰かの生活に大きな影響を与えてしまうとしたら、
もっと慎重に考えて決断を下した方がいいのではないか、と思うことはたくさんありませんか?
今回の読書会では、みんなどんな業界用語を使っていて、
人知れずどんな重大事件をさばいているのか訊いてみたいです。
ちなみに、「ステる」というのはドイツ語のステルベン、すなわち死んじゃったということです。
トップページに戻る